こんにちは。NASUホームの金井博之です。
緑に囲まれた自然豊かな那須の現場から、今日も新しい家づくりが着々と進んでいる様子をお届けします。
家づくりにおいて、多くの方が目を奪われるのは、美しいキッチンや洗面台、あるいは上棟式で柱が一気に組み上がっていくダイナミックな光景かもしれません。
しかし、住宅に携わる人間として皆様にお伝えしたい「本質」があります。それは、家の本当の価値と強さは、「完成してからは絶対に見えなくなる部分」にこそ宿るということです。
本日は、お写真でお見せしている基礎工事の最初の一歩、「丁張(ちょうはり)」と「捨てコンクリート」についてお話しします。
1. 図面を三次元の現実に通訳する「丁張(ちょうはり)」
写真の敷地全体をグルリと囲んでいる木枠が見えますでしょうか? これを「丁張」と呼びます。一見するとシンプルな木の枠組に見えるかもしれません。
しかし、これは単なる木枠ではなく、建物の正確な位置や高さを決定づける「基準の枠」です。
- 配置の確定: 敷地に対して、図面通りのミリ単位の正確さで建物が収まるかを確定します。
- 基準となる高さ(GL)の設定: 道路や周囲の水はけなどを計算し、適切な床の高さの基準を設けます。
- 水平と直角の絶対基準: 建物が傾かず、真っ直ぐに建つための基準線(水糸)を張ります。
ここで生じたわずか数ミリのズレは、家が上に向かって建っていくにつれて、取り返しのつかない大きな歪みとなります。だからこそ、現場ではレーザー測定器などで数値を厳密に確認し、妥協のない位置出しを行います。

2. 「捨てる」という名に隠された重要工程「捨てコンクリート」
丁張で位置が決まり、防湿シートを敷き詰めた後に流し込んでいるのが「捨てコンクリート(通称:捨てコン)」です。写真2枚目のように、職人さんがトンボ(ならし道具)を使って手作業で平らに均(なら)していきます。

「捨てる」という言葉がついていますが、決して無駄なものではありません。建物の構造的な強度を直接担うものではないためこの名がついていますが、強靭な基礎を作るための「キャンバス」として、絶対に欠かせない工程です。
捨てコンクリートの論理的な役割は以下の通りです。
- 正確な原寸図を描く(墨出し): 土の上では、基礎の正確な位置を示す線(墨)を引くことができません。平滑なコンクリート面を作ることで、初めてミリ単位の正確な基準線を引くことができます。
- 鉄筋のかぶり厚の確保: 基礎の中に入る鉄筋は、コンクリートに一定の厚み(かぶり厚)で覆われていないとすぐに錆びて強度が落ちてしまいます。捨てコンがあることで、鉄筋を支える部品が沈み込まず、規定通りの厚みを確実に保持できます。
- 職人の作業精度の向上: 足場が平らで清潔になることで、職人が安全かつ高精度な作業に集中できる環境が整います。
住まいの「本質」は見えないところに宿る
表面的な装飾や一時的な流行は、後からいくらでも変えることができます。しかし、ご家族の命と財産を守り抜く「土台」は、一度造ればやり直すことはできません。
構造の安定や断熱の性能といった住宅の基本性能は、優れた設計図があるだけでは機能しません。現場で「丁張」と「捨てコンクリート」の正確な施工が行われて初めて、机上の理論が現実のものとなります。
本当に長く安心して暮らせる家を適正な価格で提供するためには、この「見えない基本」にこそ、プロとしての誇りと技術を注ぎ込むべきだと考えています。
本質を見極め、確かな根拠のもとに家づくりを進めたいとお考えであれば、ぜひ一度、私たちの現場の空気を感じてみてください。
ご自身の感性を大切にされるあなたの想いに寄り添いながら、誠実にお答えいたします。
日々の現場のリアルな様子や、プロ目線での家づくりの工夫はInstagramでも発信しています。知恵と工夫が詰まった現場を、ぜひ覗いてみてくださいね。https://www.instagram.com/nasuhome.renovation/?hl=ja


