皆さんこんにちは栃木県大田原市のNASUホームの金井です。こちらのブログは栃木県県北で住宅を
ご検討のみなさまにお役立ち情報をお届けしております。
不動産の調査をしていると、法務局で取得した公図に本来あるはずの境界線が入っていないという場面に出くわすことがあります。
境界線が抜けている土地は一見すると購入や建築に大きなリスクを伴うように思えますが、表面的な図面だけで判断を諦める必要はありません。現地と役所にある過去の一次記録を丁寧に遡れば、歴史的な背景とともに本来の正しい姿が見えてくることがあります。
なぜ公図から線が消えてしまうのか(構造的な要因)
公図に線が入っていない事態が生じる背景には、主に以下のような経緯が存在します。
- 図面の改製・転写時の脱落
- 手書きで図面を写し継いできた歴史の中で、境界線の引き忘れや記載漏れが生じるケース
- マイカル(ポリエステルフィルム)化やデジタル化の過程で線がかすれて欠落したケース
- 行政側の管轄と記録の分岐
- 法務局で管理される前の「旧土地台帳附属図面」の保管状況
- 昭和25年以前の税務署管轄時代の記録と、その後の法務局・自治体への引き継ぎのズレ
宇都宮の物件で実際にあった調査事例
以前、宇都宮市内の物件を調査した際にも、法務局の現行公図で隣地との境界線が一部欠落している土地がありました。
法務局の現行図面だけを見ていれば「境界不明の土地」として処理されてしまいかねない状況でしたが、そこで立ち止まることはありません。お世話になっている土地家屋調査士の先生に相談しました。【資産税課にデータが残っているかも】いちるの望みをかけて市役所に向かいました。
- 市役所のマイクロフィルム・旧図面の閲覧
- 自治体の資産税課等に保管されている過去の公図(旧公図)やマイクロフィルム化された原図を直接確認
- 過去の課税台帳図面と照合し、かつて確実に存在していた境界線の軌跡を特定
- 現地確認と数値の照合
- 古い図面に記された形状や間口・奥行きの比率を現地と照らし合わせ、隣地との境界標の有無を検証
- 土地家屋調査士等の専門家と連携し、公図訂正や境界確定に向けた確実な根拠を構築
「図面に線がないから諦める」のではなく、「いつ、どの段階で線が抜け落ちたのか」を公的記録から立証することで、曖昧だった土地の権利関係をクリアに整えることができました。
・公図は建築確認申請への添付は必要ありませんが融資先への提出は必須です。役場の資産税課等が発行する地籍図でも代用可能な場合あります。宇都宮の事例では資産税課のマイクロフィルムで原図が確認できたので、資産税課に交渉して地籍図を修正していただき、融資先の銀行に提出して事なきを得ました。
土地選び・敷地調査は大切です
家を建てるための土地を探す際、駅からの距離や坪単価といった数字ばかりに目が向きがちです。しかし、将来にわたって安心できる住まいをつくる上で最も重要なのは、土地が持つ権利関係や境界の確実性です。
- 表面的な情報に惑わされないこと:不動産情報シートに並ぶ条件だけでなく、公的資料の裏付けまで見届ける
- 手間を惜しまないプロを選ぶこと:図面の違和感を見逃さず、過去のフィルム資料まで足を運んで確認する姿勢があるか
目に見えない安心と資産価値を大切にしたいと考える方にこそ、確かな調査と根拠に基づいた家づくりをお届けしたいと考えています。
土地の図面で少しでも疑問や不安を感じる点がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。現地と公的書類を突き合わせ、事実に基づいた道筋をご案内いたします。ご相談は下記よりお待ちしております。


